初乗りでいきなり長距離!?

自転車(クロスバイク)購入の経緯は「自転車(クロスバイク)を買った」(Adminではないけれど [ブログ篇]、2012/06/04)に書いた。以後はこちらに書いていくことにする。

自転車をどこで買い、どのように受け取るかは悩みごとのひとつだった。最寄りの販売店で購入するとか、通販で購入するとかの方法もあるけれど、できれば、ワカッテイル人のいる店から購入し、受け取りの時にいろいろ説明を受けたい。ショップ(上野にある直営店)の人と相談の結果、ショップで受け取って、そのまま自宅まで運転して帰ってくることにした。Google mapの道のり検索だと35.4km。「初めてだとちょっと大変かも知れませんけど、走れない距離じゃないですよ」と気軽に言うのでこちらも軽く決断してしまった。

しかし、8日に東京で梅雨入り宣言がなされ、以後、毎日雨である。購入した時は毎日晴れていたからうっかりしていたが、そういう季節なのだ。購入が1〜2週間遅かったかもな、と週間天気予報を毎日眺めて暮らす。16日にはできているとのことだったが、16日まで雨。17日に雨がやみそうなため、この日と思っていたが、16日の予報では降水確率が高そうだったから(夜明け頃には土砂降りだったし)、無理かなあと半ば諦めていたところ、幸い雨がやみ、終日崩れることはなさそうだったため、出かけることにした。こんなことならもう少し早起きをするんだった。雨だと思って寝坊しちまったぜ。

本体購入時に合わせて購入した付属品は、ライト、ベル、鍵、これらはまあ必須だが、あと荷台も依頼した。あくまでトランスポーテーションだから、荷物が全く運べないのは困る。さりとて、一応カゴという選択肢もあったものの、さすがにちょっと似合わない。

その後、あれこれブログを読みあさったり、近所の自転車屋に行ったりして、ヘルメット、鍵(2個あった方がよさそうだ)、小物入れ、速度計、手袋を購入。これらを持参した。

小物入れはマジックテープで取りつけるだけの簡単なものだが、速度計は少々面倒なので、ショップの人につけてもらう作戦を立て、お願いしてみた。が、「今ここであわててつけるより、ご自宅でゆっくり取りつけた方がきれいに取り付けられると思いますよ」とやんわり断わられてしまう。速度計は区間距離と累計距離も測れ、時計もついているため、帰途にして初の長距離走の際はぜひともほしかったが、残念ながら諦めることにした。

15時半、ショップスタート。慣れれば平均時速15〜20kmくらいで走れるというが、慣れない上に長距離を走るため、平均10km程度と考え、3時間半。15分休憩を2回取るとして、4時間。そんなものかな、という目安で走り始めた。

サドルの位置がどうも合わない。ショップの人は、足が地面に着くか着かない程度がベストというが、それでは不安定で運転しにくい。それで少し低めに設定し直し。それ以外は、基本的に自転車の運転自体はさほど戸惑うことはなかったが、道路の走り方は苦労した。歩行者とも自動車とも違う、独特のルートになるので、感覚をつかむのには時間がかかった。

一番心配したのは、道がわかるかどうかだ。地図も持参したし、iPhoneがあるから現在位置はGPSでわかるし、迷子になることは心配していなかったが、道を間違えれば当然その分多く走らなければならず、その分時間もかかることになる。が、結果的には当初想定していた道を一度もそれることなく走ることができた。

出発点から渋谷の駅が約10.2kmなのでここまでを1時間という目安でいた。そして、ここで最初の休憩を取ろうと。15時55分、飯田橋の駅を通過。飯田橋は出発点から渋谷のだいたい1/3程度の位置だと思うので、スタート時にごちゃごちゃ手間取ったことを考えれば、ほぼ予定通り。16時10分頃、四谷通過。渋谷までの2/3程度だと思うので、いいペース。16時20分、神宮外苑を抜けて青山通りへ。あとは渋谷まで一直線で2kmちょっと。いいペースだ。と思ったが、このあたりから道路わきに違法駐車している自動車の数が急に増え出し、走りにくい。16時35分、渋谷駅到着。

15分の休憩後、出発。都心を抜けている時は、道路は広く、ほとんどの区間で自転車専用道路があり、道路わきに緑も多くて景色がよく、とても快適だった。が、246に入ってからは、違法駐車は多いし緑はほとんどないし、交通量が多く走りにくかった。三軒茶屋から世田谷通りに抜けてからは、商店街なので、走りやすくはなったがスピードが出しにくい。

自転車の運転で、疲れるのは脚(腿とか膝とか)だろうと思っていた。確かに脚も疲れるのだが、それ以上に首が疲れるのは意外だった。ママチャリ的なシティサイクルだと、身体は真直ぐ起こした姿勢で走るから、そのまま正面が見える。この自転車だと、基本的にやや前傾姿勢になるため、首を起こさないと前が見えない。おまけにヘルメットをかぶっていたから、その分重量が増すわけで、首を起こし続けるのはちょっと大変だった。疲れると首が傾げてくる。こうなると視界が悪くなるから、危ないし、第一楽しくない。

それ以上に誤算だったのは、お尻が痛い。試乗した時もちょっとお尻が痛くなって、その話はショップの人にはしたのだけど、「すぐ慣れますよ」の一言で終わりになり、こちらも「すぐ慣れるだろう」と思って追求しなかったのだが、走るにつれてどんどん痛みが増してくる。全然慣れない。

渋谷の次は約13km先の和泉多摩川を1時間程度で走り、そこで次の休憩を、と思っていたのだが、とてももたない。世田谷駅近辺の道路わきにベンチがあったので、そこで休憩。15分ほど休憩して痛みはひいたが、自転車に乗ってサドルに腰を下ろすと、またすぐ痛くなる。なんとか姿勢を変え、お尻に当たる位置が固定しないようにしながら10〜15分程度で我慢できなくなって休憩、の繰り返し。このあたりは特に大きなアップダウンはなく、脚の疲れはそれほどでもないので、一気に距離を稼ぎたかったが、とてもとても、という感じだ。

以前、ジムに通っていた時のことを考えると、恐らく相当な汗をかくだろう、シャツがびしょびしょでは気持ち悪いだろうと、Tシャツの替えも持参したのだが、確かに汗はかいているのだろうが、何しろ走るということは風を受けるということで、これが実に気持ちがいい。シャツが汗で濡れるということはない。むしろ休憩している時の方が、じとっと汗をかいた。

18時20分、和泉多摩川到着。当初の予定より約30分の遅れ。お尻が痛い。20分ほど休憩してから、出発。あと12kmだが、1時間で着けるだろうか。

多摩川水道橋にさしかかると、ちょうど夕陽が沈むところだったが、実にきれいな景色だった。自動車を運転していると、風景を眺める余裕がない(脇見運転事故の元)。繁華街を歩いていても、「看板」は目につくが「風景」はなかなか見えない。こんな風景を目にしたのは久しぶりではなかったか。お尻痛いけど。

着替えのつもりで持ってきたTシャツを小さく畳み、クッション代わりにお尻の下に敷いてみる。問題解決にはほど遠いが、いくらかは和らいだようだ。橋を渡ると「新百合ヶ丘まであと5km」の道路標示がある。新百合ヶ丘は最寄り駅ではないが、買い物や映画によく行くので馴染みがある。この時は「あと5kmか!」と少し元気が出てきた。

休憩している時は、ただ立っているよりは、歩いた方がお尻の筋肉がほぐれて痛みの緩和に効果があることを発見。10分ほど走って5分ほど歩いて、の繰り返し。新百合ヶ丘に着いたのは19時40分頃だったか。

自宅到着は20時10分。当初の目安よりは遅れたとはいえ、道に迷うこともなく、事故にも遭わず、怪我もせず、無事に帰宅できたのだから、まあ合格点だろう。それにしてもお尻が痛かった。当面は近場を走りつつ、慣れていくしかないのかな。